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前受家賃と債務控除について

2016.06.10 | 新着情報

Q 個人事業主としてアパート経営をしていた父が、5月15日に亡くなりま
 した。
賃貸借契約書において、家賃の支払期日は、当月分の家賃を前月末日と定め
 ています。

 5月15日までの本年分の申告(準確定申告)においては、4月30日に入
 金があった5月分家賃について、5月16日以降に対応する部分を前受家賃
 としており、収入には計上していません。
 この前受家賃は、相続税の計算上、預り金として債務控除できますか?
 

A まずは、賃貸借契約書において、当月分の家賃を前月末日までに支払う約
 定になっていますので、5月分の家賃は4月30日に支払義務は確定してい
 ることになります。

 準確定申告においても、不動産収入の計上について、賃貸借契約書等に定め
る支払日基準で計上していくことが多いと思います。
  
 例外的に、一定の条件のもと、貸付期間に対応する部分の金額を収益計上す
 ることも認められています。

 今回は後者のケースで、5月1日から相続開始があった5月15日までの分
 を不動産収入に計上し、相続開始後の5月16日から5月31日までの部分
 は、前受家賃として負債に計上していた、ということになります。
  
 準確定申告書上、負債として計上されているので、相続税の計算においても
 債務控除できるのではないかと考えるのは、ごく普通の流れだと思います。

 ただし、相続税の計算上、債務控除を行えるのは、相続開始の日にあった債
 務で、確実と認められるものに限られます。
 
 大家側からすると、既に5月分の家賃をもらっているため、相続開始日の翌
 日である5月16日以降についても、債務を負っていると考えがちです。
 決算書上、負債項目として記載もされていますので。

 しかし、債務を負っているとすれば、部屋を引き続き使用させる義務だけで
 あって、5月16日以降の未経過分の家賃を返金する義務などありません。

 よって、相続開始日において、賃借人に対する具体的な債務は存在していな
いことになりますので、前受分の家賃については、相続税の計算上、債務控
除を行うことはできません。

                           《担当:利根川》

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